コーヒールームの目 実験
あのベイトソンの親戚らしい動物学者のメリッサ・ベイトソンらが行った有名な実験のまとめ。(亀田達也『モラルの起源─実験社会科学からの問い』 3章より)
規範と罰、フリーライダー問題を考える際に示唆を与えてくれる実験だ。
要するに、↓ みたいな画像を見ると、人はビビり、ルール違反を犯しにくくなるというお話。
状況
- 一定額を自主的に回収ボックスに納めればコーヒーを自由に飲むことのできるシステムがよくある。
- 自動販売機の様に、コーヒー代を強制的に回収するのではなく、誰でも中を開けられるし、金を入れずにコーヒーを飲むこともできてしまうような状況。
- タダ乗りする者が増えれば崩壊するシステムだ。
実験
- コーヒーポットの前に、人の目の写真を貼っておく場合と、それ以外の写真を貼っておく場合とで、回収率の変化を観察する。
結果
- 目の写真、特に怖い目の写真の週には、著しく回収率が上がる。
まとめ
- 多くの動物も目に敏感な反応を示すが、それは捕食者への警戒反応だ。
- しかし、ヒトの示す、目への反応は社会的な反応だ。捕食者にではなく、同種他個体の「みんな」に見られているかもしれないということに、敏感に反応している。そして、社会規範からの逸脱を避ける。