読書メモ

個人的な読書メモ。それ以上でも以下でもありません。

ゲーム理論・入門 新版 (岡田章) 第01章 ゲーム理論とは何だろうか?

ゲーム理論 新版 が難しすぎたので、ゲーム理論・入門 新版--人間社会の理解のために (有斐閣アルマ) から読むことにした。

ゲーム理論・入門 新版--人間社会の理解のために (有斐閣アルマ)

ゲーム理論・入門 新版--人間社会の理解のために (有斐閣アルマ)

  • 作者:岡田 章
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2014/09/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「第1章 ゲーム理論とは何だろうか?」では、ゲーム理論の定義、ゲーム理論のレジェンドたち、ゲーム理論に出てくる主要な概念を説明している。

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自己家畜化 (Self-Domestication)

www.sciencedirect.com

Abstractしか読んでないので詳しくは良く分からないが、「ヒトは他の霊長類や哺乳類と比べて、依存症になりやすい。これはヒトが自己家畜化してきたことと関係があるらしい」という論文のようだ。

自己家畜化 (Self-Domestication) ってワードは初めて知ったが、ディストピア的な想像力を掻き立てて面白い。

社会集団における協力形成問題へ向けて:数理モデル,計算機シミュレーションによるアプローチ (秋山 英三 2017)

社会集団における協力形成問題へ向けて:数理モデル,計算機シミュレーションによるアプローチ (秋山 英三 2017)

協力行動の促進・維持のメカニズムを、ゲーム理論と計算機シミュレーションで解明しようとする研究のサーベイ論文。

  • Ⅰ. はじめに
  • Ⅱ. 社会的ジレンマと囚人ジレンマ
  • Ⅲ. 協力的社会の構築:古典ゲーム論によるアプローチ
  • Ⅳ. 協力的社会の構築:進化ゲーム理論とシミュレーション
    • 1. 社会集団内での繰り返し相互作用と「オウム返し戦略」
    • 2. オウム返し戦略の弱点
  • Ⅴ. 協調形成に関する研究:近年の発展
    • 1. 直接互恵と間接互恵
    • 2. マルチレベル淘汰
      • n人2グループ囚人ジレンマゲーム
    • 3. ネットワーク互恵と複雑ネットワーク
  • Ⅵ. まとめ
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【特集イントロダクション】社会規範への数理社会学アプローチ (大林 真也, 2017)

【特集イントロダクション】社会規範への数理社会学アプローチ (大林 真也, 2017)

論文誌『理論と方法』の社会規範特集のイントロダクションとなる論文。近年の社会学と経済学における、社会規範研究の概要をレビューしている。

どうやら近年の社会学ゲーム理論における研究では、社会規範を被説明項ではなく説明項として扱うのがトレンドらしく、私の様に、社会規範の生成から消滅までのメカニズム自体に関心がある者は亜流のようだ。(本当か?)

  • 1 イントロダクション
    • 1.1 問題の所在
    • 1.2 社会規範の定義
  • 2 従来研究の整理
  • 3 近年の数理的研究の動向
    • 3.1 調整問題解決あるいは均衡選択としての社会規範
    • 3.2 フレームとしての社会規範
    • 3.3 行為の価値としての社会規範
  • 4 社会規範研究の今後
    • 4.1 近年の動向の特徴
    • 4.2 特集の構成
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集合・位相入門 (松坂和夫) 第1章 集合と写像 §1 集合の概念

集合・位相入門 (松坂和夫 数学入門シリーズ 1)

集合・位相入門 (松坂和夫 数学入門シリーズ 1)

  • A) 集合と元
  • B) 集合の記法
  • C) 集合の相等
  • D) 部分集合
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社会規範の数理社会学にむけて (2002, 小林盾)

社会規範の数理社会学にむけて (2002, 小林盾)

社会規範の発生を「選好形成」と捉えて、社会規範の内面化をモデル化することを提案する論文。

実際にどうやってモデル化するかが書かれているわけではない。

  • 1. はじめに:情けは人のためならず?
  • 2. 社会規範の発生メカニズム
    • 2.1. 社会のセメント (社会規範とは何か?)
    • 2.2. 発生メカニズム (なぜ社会規範の発生メカニズムを解明することが重要なのか?)
    • 2.3. 社会学における社会規範 (これまで社会学では社会規範をどの様に扱ってきたか?)
  • 3. 選好形成の数理モデル
  • 4. おわりに
    • 4.1. 社会規範の望ましさ
    • 4.2. ピンポイントの数理モデル
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ゲンロン 10 (悪の愚かさについて、あるいは収容所と団地の問題)

ゲンロン10

ゲンロン10

  • 要約
  • 感想
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ゲーム理論 新版 (岡田章) 第2章 戦略形ゲーム ( 4 )

ゲーム理論 新版

ゲーム理論 新版

  • 4. 均衡点の存在
    • ナッシュの定理
    • ゼロ和2人ゲームにおける均衡点
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モラルの起源 ── 実験社会科学からの問い (亀田達也)

  • はじめに
    • 本書の問い = 人間とは何か?
    • 本書のアプローチ = 実験社会科学
    • 読む動機
  • 第1章 「適応」する心
    • 1. 社会行動を理解するための3つの時間軸 (進化時間 / 歴史・文化時間 / 生活時間)
    • 2. 適応主義的分析の利点と危険性
    • 3. 生き残りのためのシステムとしてのヒト
    • 4. ヒトは自然環境に適応するために群れを作り、群れで生き残ることに最適化した
  • 第2章 昆虫の社会性、ヒトの社会性
    • 1. 社会的昆虫は強い血縁社会で生きているので、群れが生き残ることに最適化する
    • 2. ヒトは弱い血縁社会で生きているので、個人の生存に不利な行動パターンは定着しない
  • 第3章 「利他性」を支える仕組み
    • 1. 二者間の協力関係は互恵的利他主義 (reciprocal altruism) で説明できる
    • 2. 社会的ジレンマ (social dilemma) は、互恵的利他主義では解決できない
    • 3. 規範と罰だけで社会的ジレンマを解決しようとすると、高次のジレンマ問題にぶち当たる
    • 4. ルール違反への嫌悪、罰することの快楽、他者の目への敏感さが、高次のジレンマ問題を解決する
    • 5. 感情に駆られて罰し、感情が罰に実効性をもたせる
    • 6. 二者に閉じない助け合い (間接互恵性) は「評判 (reputation)」の働きによって支えられている
    • 7. 自然な利他的行動の噂 (ゴシップ) が評判を高め、評判の高低が「対人マーケット」での勝敗を決める
  • 第4章 「共感」する心
    • 1. 身体模倣によって相手の意図や感情を理解するメカニズム
    • 2. オキシトシン (Oxytocin) による情動伝染
    • 3. 内集団を限界とする情動的共感と、外集団に広がる認知的共感
    • 4. 認知的共感を支えるメンタライジング・ネットワーク
  • 第5章 「正義」と「モラル」と私たち
    • 1. 「いかに分けるか?」という問題への答えの一つに「功利主義 (utilitarianism)」がある
    • 2. 分配の規範は社会・文化によって規定される
    • 3. ヒトの脳は進化時間的な適応によって、格差を嫌うようにできているという仮説
    • 4. ロールズのマキシミン原理 (maximin principle)
    • 5. ラボ実験とfMRIでマキシミン原理 (maximin principle) 的な傾向を持つ神経基盤が確認された
    • 6. 「私 vs 私たち」の問題 ── 正義は個人を超える
    • 7. 「私たち vs 彼ら」の問題 ── 正義が国境を超えるためには功利主義 + α が必要
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最後通告ゲーム

亀田達也『モラルの起源─実験社会科学からの問い』の5章に出てくる最後通告ゲームについてまとめる。

これは、分配の正義 (distributive justice) と、人々の実際の行動の関係について調べる実験で、行動経済学の入門書に必ず出てくるゲームの一つだ。最後通牒ゲームとも言う。

  • ルール
  • 合理的な戦略とその結果
  • 実験結果
  • まとめ
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コーヒールームの目 実験

あのベイトソンの親戚らしい動物学者のメリッサ・ベイトソンらが行った有名な実験のまとめ。(亀田達也『モラルの起源─実験社会科学からの問い』 3章より)

規範と罰、フリーライダー問題を考える際に示唆を与えてくれる実験だ。

要するに、↓ みたいな画像を見ると、人はビビり、ルール違反を犯しにくくなるというお話。

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  • 状況
  • 実験
  • 結果
  • まとめ
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公共財ゲーム (public goods game) 実験

亀田達也『モラルの起源─実験社会科学からの問い』 の3章に出てくる公共財ゲーム実験についてまとめる。有名な実験なので、他にも様々な文献で言及されている。例えば、読んでないけど 川越敏司『行動ゲーム理論入門』 など。

オリジナルは、フェアとゲヒター (Fehr & Gächter, 2002) で、社会的ジレンマ、規範と罰、フリーライダー問題、高次のジレンマ問題などに示唆を与えてくれる実験だ。

  • 基本ルール
  • 理論的な戦略と結果
  • 実験結果
  • ルールの改定 ─ 罰の導入
  • 罰の導入後の実験結果
  • ルールの改定 ─ 第三者罰の導入
  • 三者罰の導入後の実験結果
  • まとめ
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ゲーム理論 新版 (岡田章) 第2章 戦略形ゲーム ( 3 )

ゲーム理論 新版

ゲーム理論 新版

  • 3. 混合戦略と期待利得
    • 純戦略と混合戦略
    • 混合戦略における戦略形 n 人ゲームの定義
    • 実現可能集合の定義
    • 実現可能集合の例
      • 囚人のジレンマ」の実現可能集合
        • 利得行列
        • グラフ
      • 「男女の争い」の実現可能集合
        • 利得行列
        • グラフ
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ゲーム理論 新版 (岡田章) 第2章 戦略形ゲーム ( 1 〜 2 )

ゲーム理論 新版

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